ベステラ株式会社

プロジェクトストーリーPROJECT STORY

無事故・無災害への挑戦
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無事故・無災害への挑戦

鹿島製鉄所第二高炉解体撤去工事

導入した技術METHOD

3D解体

3D解体

3D解体とは、3D計測データを利用した解体シミュレーションおよび施工計画書作成・工程管理・現場安全対策のサービスの総称です。
また、解体後の改修工事のベースとなる配管・躯体・舗装面等を3D CADでモデリングすることで、BIMへの橋渡しも実施します。

STORY01 受注の背景

ベステラが茨城県鹿嶋市の製鉄所の解体工事を受注したのは、2015年の7月。施設の操業停止から8年後のことでした。この製鉄所にある第二高炉は、日本製鉄㈱の東日本製鉄所鹿島地区にあり、長年にわたり鋼板ならびに建材の製造拠点として、自動車・家電向けの薄板鋼板を中心に、厚板鋼板、鋼管、形鋼など、付加価値の高い製品を製造していました。しかし、将来の最適な生産体制の構築を検討した結果、第二高炉を解体することが決まりました。
本案件は着工から完工まで3年がかりの工事となり、ベステラとしてもかなり大型の案件となりました。多くの工事は1現場に1名の現場監督を配置して工事を進めるところ、ベテランを含む3名の監督を常駐させて対応することとしました。

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STORY02 工事内容と工事期間

工事に伴う問題点と解決方法

解体工事の計画を立てるにあたって、現状分析とリスク抽出を行い、課題を発見することから始めます。現場調査と図面を照らし合わせて検討を重ねる中でポイントとなったのは腐食と重量計算でした。
下降管の炉体が腐食しており、解体のために足場を組んでも倒壊する可能性がありました。お客様や協力会社とも検討した結果、足場を組まず、最適な吊カゴを使用する方法と採用することとしました。

STORY 02

また、切り取った下降管を、クレーンを使用して吊り下ろす際に、下降管の重量計算に間違いがあればクレーン自体がバランスを崩して倒壊・転倒する危険があります。
そこで注目したのは、管内のダスト付着です。

現地確認を実施した結果、ダストの付着はなく、内部耐火物の残存と鉄皮の減肉もないことが判明。図面から割り出された値と現状が異なっていましたが、現場確認と適切な荷重計算により、無事に吊り取りの工程を終えました。

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イメージ

STORY03 各部署との連携

大型の現場になると、工事の要領書作成は工事計画専門の部署と連携して行います。今回の工事において課題の一つであった、切断及び重心位置間違いによるクレーン倒壊・転倒の恐れを防ぐために、3D計測の部署と連携して工事計画を立てることとなりました。
そもそも、解体工事は建設されてから数十年経過している設備が対象となるため、図面に記載された数値が経年劣化や度重なる改修工事によって現況と異なっていることが往々にしてあります。
本案件では、3D計測チームに高炉の3次元レーザー計測をしてもらい、高炉の下降管の寸法計測を実施することとしました。専用の3Dスキャナを使用して3次元の点群データを取得。そしてデータに基づいて基準点を設定。そこから切断箇所を決定し、下降管の切断を行いました。経年劣化により、実際には斜度が微妙に異なっていたため、3Dレーザー計測を導入することで、クレーンがバランスを崩す危険を最小にすることができました。

STORY 03
(数値はイメージです。実際のものとは異なる場合があります)

STORY04 表彰

3年にわたる長い工事でしたが、無事故・無災害で完了することができ、2018年10月24日に日鉄住金テックスエンジ株式会社様より、その高い技術をご評価頂き表彰されました。
表彰の理由として、①3年におよぶ長期の工事を無事故・無災害で完了したこと、②受注前段階での各種VE提案によるコスト低減を行ったこと、③3D計測の導入により安全かつ迅速で高精度な現場調査を行ったこと、④施工変更事項への柔軟かつ適切な対応を行ったこと、が挙げられました。
製鉄業界は、業界の再編と設備の合理化が進む業界の一つです。ここ10年で、日本の粗鋼生産量は1割減少しています。人口減少や技術力の向上も相まって、解体需要の増加の流れは今後も続くものと思われます。解体業務の中には、書類の作成や職人の出張手配等、地味だと思われがちな仕事も少なくありません。しかし、その一つ一つが工事を進める潤滑油となり、そして最終的に日本全体の産業構造の変革へとつながっていきます。このことを忘れずに、これからも「早く、安く、安全なサービス」を提供できるよう努めてまいります。

STORY 04

現場担当者の声VOICE

荒木 〇〇

「鉄は国家なり」の言葉が示すように、今でも重厚長大産業の基幹です。現代の文明は省エネルギー・高効率社会へと進化しているとはいえ、やはり多数の人間が生きていく上で大きな構造物や社会インフラが必要です。
これらを支えるためには構造体が必須であり、いまも大量の鉄がその目的で使われています。鉄を製造する製鉄所のシンボル的な設備が溶鉱炉・俗に高炉です。その高炉を解体するというビッグイベントを担当するのは、解体工事に従事する者にとって、誠に栄誉ある仕事ですが、高炉は改修工事の経験はあるものの全解体は初めての挑戦であり、問題山積でした。初めて現場調査で炉の頂部に向かった時、片手にゴルフクラブを握り床板を叩きながら歩き、階段の床板が腐れ落ち端の鉄骨をよじ登った時の冷汗は今も鮮明に覚えています。
様々な問題点も我々社員の計画と、協力会社の方々の豊富な経験と知識の総力を結集できたからこそ、完全無事故・無災害で工事完遂し得たとも思っております。